2017年の活動記録

東日本大震災の被災地 三陸海岸を訪問しました。

  • 活動期間 2017年8月15日(火)
  • 活動者  山岳奉仕団 1名
  • 活動場所 宮城県、岩手県 三陸海岸
  • 活動概要

 東日本大震災から6年が経過しました。奉仕団は当時、遠野市、釜石市、大槌町などで活動を行いました。今回、宮城県石巻市から岩手県上閉伊郡大槌町までの三陸海岸を訪問しました。

 宿泊した宮城県多賀城市のホテルは自衛隊多賀城駐屯地の前にあり、部屋には「東日本大震災では1階が浸水したため、地震発生時には2階以上に避難または自衛隊駐屯地に避難して下さい。」と案内が掲示されていました。
 当時、この地区では避難する車が渋滞していて、多くの人が車ごと流されて命を落としました。


 ①大川小学校訪問

 多くの児童が犠牲となった宮城県石巻市立大川小学校を訪問しました。1873年から小学校があり、1985年にこの校舎が建てられました。多くの震災遺構が撤去される中、2016年3月に石巻市が保存する事となりました。

 写真や映像で見るのと違い、実際に壊れた建物を見ると地震、津波の恐ろしさを感じました。献花台付近や校舎前には震災前、震災後の写真が掲示されていて、雄大な北上川沿いの静かな町が一瞬にして津波に襲われ、小学校周辺にあった住宅が跡形も無くなってしまった様子が分かりました。

 朝から雨が降る中、バイクツーリング、家族連れ、タクシーで来た年配夫婦など、多くの人が訪問していました。

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 ②南三陸町訪問

 3階建ての屋上まで津波が押し寄せた南三陸町防災対策庁舎を訪問しました。2031年まで宮城県が管理する事になりました。現在は周辺の工事のため近くまで行く事は出来ず、離れた場所から見渡せる所に献花台が設けられています。

 近くにある「南三陸さんさん商店街」は2012年に仮設商店街として営業されていましたが、2017年3月3日に本設としてオープンしました。食事や土産、コンビニ等があり、離れた所にある仮設の展望台からは町の復興している様子が一望できます。

 この地域は高台にあった学校以外は殆ど津波で流されてしまい、現在は全体的な「かさ上げ」を行っています。国道の橋を建設中で周辺の道路も整備されています。

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 ③気仙沼市訪問

 気仙沼市魚市場を訪問しました。2階建ての屋上が駐車場になっていて、震災時はここで難を逃れた人がいました。

 隣接する「海の市」は震災時に1階部分が浸水しましたが、リニューアルして活気を取り戻しています。2階には気仙沼市観光サービスセンターがあり、気仙沼の見どころやイベント情報等を発信しています。

気仙沼漁港


 ④陸前高田訪問

 江戸時代から植林され始め、たびたび起こる津波から市街地への被害を防いできた高田松原は、震災で7万本のほとんどが倒れてしまい、現在は復元された「奇跡の1本松」のみとなっています。

 周辺は大規模な護岸工事、道路整備が行われていて、一本松を見学するには少し離れた駐車場から10分程歩いて行きます。他の震災遺構と同様に絶え間なく人が訪れていました。

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 ⑤大槌町訪問

 奉仕団で活動していた方が大槌町で飲食店を経営しているので訪問しましたが、調べていた場所から移転していたため会うことが出来ませんでした。後で調べた所、訪問した旧大槌町役場のすぐ隣に移転したようで、数十m手前まで行っていたので残念でした。

 旧町役場はいずれ解体されてしまうそうですが、残されていた建物にある壊れた時計が印象的でした。 

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